室内の火事 ─ ここが恐ろしい
火事と死傷者・・・いたましい報道が後を絶ちません。煙に巻かれたための中毒や窒息がそのキッカケとして想像されます。
しかし、火事の専門の研究者によると、室内の火事で起こる重大なことは「酸欠」。
火の燃焼は酸素が必要条件です。ですから、空気の流入の少ない室内では、火が激しく燃えると酸素の消費も激しくなり、空間が一時的に酸欠状態になります。人間は1分ともちません。窒息して昏倒します。
室内の火事 ─ “消火の深追い”禁物
だんだん火勢が強まる火事。必死で消火に当たる人。こんな場面で危険なことは、「無我夢中」。
酸欠状態になってくると昏倒の危険の前に煙もふえてきます。煙には有毒ガスが多いので、不用意に吸い込むと一瞬で倒れます。
すぐに消しとめられずに火勢をました火事は、ここからの脱出を第一に考えて消火に当たりましょう。
スーッと下降する煙があればすばやく避難!
火事の原因 ─ こんなことも!
ガラス製の透明の水槽。水の入ったペットボトル。これらが太陽光を集めて焦点ができ出火。
家具や机の配置のとき、目立たないところでコードを下敷きにして数年後。こすれて被覆が破れショート。過熱から発火。
家具やソファーのうしろのコンセントに差し込んだプラグが、いつの間にかずれてすき間ができ、ほこりがたまって発火。
119番と電話
じょうずな通報
119番をダイヤルすると「ハイ!備北消防です。火事ですか?救急ですか?」と問いかけてきます。
「火事ですっ!」と答えます。つまり、聞かれたことに対して答えるのが通報のコツです。
「近くの目標物は?」と聞かれることもあります。日頃からそんなときの答えも考えておきましょう。
携帯電話からの通報
火災現場や救急現場を管轄していない消防本部が電話に出ることがあります。そんなとき「あっ、違った!」と思って切らずに、そのまま話をして、問いかけに答えてください。
場所が分かれば、管轄の消防本部へ電話を転送します。
消火の固定観念はダメ!
消火器!水だ!などとこだわって、消火器を探したり、水道水がバケツにたまるのを待ったりと、時間を空費しないこと。
冷蔵庫のペットボトルの水、牛乳、缶ビール。鍋の残り汁、ポットの湯などそのへんの液体を総動員しましょう。
毛布やふとんなど寝具をかぶせて密閉し、空気を遮断するのもひとつの消火法。
大声で知らせる <こっそりよりも大騒ぎ>
世間体を気づかって「このくらいの火事は自分で!」というのがあぶない。
大声で家族や近所にまず知らせること!
その大声がまた自分を落ち着かせる動機になります。
「火事だー!」という声を聞いた近所の方は、すかさず119番!それから応援にかけつける!